ナウシカになった

高校時代の友人と 3 人でパラグライダーに乗りに行った。もちろん初体験だったのでタンデムで。簡単な説明を受けたあと、車に荷物を積んで、近くの小高い山まで移動。離陸場は結構急な坂になっていた。そこへ羽(?)とライン(糸)を広げて、インストラクターとハーネスを結合した後、記念撮影をした。そして風向を見てタイミングを見計らい、おもむろにダッシュしてテイクオフ。のはずが、羽が持ち上がって風力を受けると、ふらふらして千鳥足になり、真っ直ぐ歩けずに左にそれてしまったwなんとか右の方へ修正すると、次第に体が軽くなり地から足が離れる。おぉー!すげー!飛んでる!飛んでるよ!

先に飛び立った友人ははるか上空にいた。インストラクターが「負けずに追いつこう」とか言いながら、サーマルと呼ぶらしき上昇気流に乗って旋回しながらどんどん高度を増していく。風が下から吹き上がる。風で上昇すると、エレベータに乗った時のような慣性力を受ける。その度に頭の中を物理がよぎったが、いやいやダメだダメだ、とあまり考えないようにして、遠くを眺めて景色を楽しむことに注力する。天気もよく眺めが最高。筑波山霞ヶ浦、太平洋まで一望できる。目を下へ転じると人や車が小さく見える。あるところまで上昇すると気流の乱れが顕著になり、気体が揺さぶられた。いったんサーマルを離れて、今度は下降していく。次第に田畑や家や車や人が近くなり、「ああ、この距離なら落ちても助かるな。」と安心できる距離まで降りてきた。

田んぼが近づくと着陸態勢に入る。足を下ろして、地に足をつけようとしたが、地面がぬかってる...。マジでここに着地?とか躊躇していたら、インストラクターの人に早く走って!とせかされるので、泣く泣くぬかるみに足を入れるのであった。あぁ、靴がぁ。

先に着陸した俺は最後に離陸した友人を下から余裕の表情で見送っていたw友人は酔ってしまったようで、つらそうだった。そういえば俺も少し酔った気がしていたが、とても興奮していたので忘れてた。俺はついにナウシカになった。完。